ニュースレター Vol.120

CEOメッセージ

代表からのご挨拶 無駄を排除し、本質を追求する

昨年はロルフ・ドベリ著の『Think Clearly』の話をし ましたが、今回は続編の『Think Smart』について、ぜひ 紹介させてください。私にとっては叡智の結晶のような 本で、10、20年分の智慧が身に着けられたと感じている ので、何度も何度も繰り返し読んでいます。

たとえば『Think Smart 』には、こんなプロローグが 紹介されています。

ローマ教皇がミケランジェロに、「どのようにしてダビ デ像を作り上げたのですか」と尋ねると、「とても簡単で す。ダビデではないものを、すべて排除したのです」と答え たのだそうです。

つまりミケランジェロは、「消去法」によってダビデ像と は何かを浮かび上がらせ、みごと具現化させたというわけ です。

ただ漠然と「幸福をつかもう」とするのは難しいですが、 ならば「不幸になる要素を排除すればよい」と『Think Smart 』には書かれており、間違った思い込みによる"思考の罠"を避ける方法がいくつも解説されています。この ことからわかることは、大切なことを見極めるには、不必 要なことを排除する、いわゆる"本質的な思考が重要である"ということではないでしょうか。

些末な話なのですが、私は何を着るか考える時間がもっ たいないので、全身を紺色に統一し、同じ服ばかり着ています。とはいえ、経営者として見た目の印象や清潔感、スタ イル良く見えることも大事ですので、気に入ったズボンは 同じものを4本も持っています(笑)。おしゃれが好きな人 にはつまらないと思われるかもしれませんが、結論から 言って、とても楽になりました。

人づきあいにおいても、年賀状を義理で出すことはせ ず、今後もおつきあいしたい人にだけ、近況を自分らしく 綴ったメールを送っています。また、結婚披露宴への出席 も丁重にお断りしています。(新郎新婦とプライベートで ゆっくり会うのは大歓迎なのですが…)。「世の中の常識 だから」ではなく、もっと本質的なことのために、大切な時 間やパワーを使いたいと思っているのです。

そのため私は社員にも、「苦手なことに大切な時間をさ くのではなく、得意なことに注力してください」と言い続 けています。何かに我慢しながら仕事をしていても、誰も 得しません。本人にとっても会社にとっても、大きな損失 になるだけです。"一通りできなければ一人前じゃない" "甘ったれずに、気合と根性でがんばれ"というのは、日本人 が陥りやすい思考の罠といえましょう。

自分の提供すべき「価値」は何かを明らかにし、自分に向 いていない仕事は極力避けるーー 一見ワガママに見 えるかもしれませんが、そんなシンプルな考え方が、これ からの成熟した社会では重要になってくるような気がし ています。

代表取締役

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