ニュースレター Vol.115

世界の医療事情

世界の医療事情Vol.6~世界のオンライン医療市場~

「オンライン診療」とは、医師が情報通信機器を使って遠隔診療を行うことです。

日本では平成18年度に正式に保険適用されました。現時点での対象 疾患は糖尿病などに限られており、今はまさに黎明期です。

患者さんが適 切に受診できる仕組みが構築できれば、次世代の医療を支える重要なツールとなるでしょう。ビスカでも今後、開発を進めていく予定です。

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国土が広く、医療コストも高いことから、オンライン診療が積極的 に導入されているアメリカ。

2020年には市場規模が680億ドルに達するといわれています。医療機関で電子カルテを共有する EHR (エレクトリック・ヘルス・レコード )のシステムが普及しているの で、州によっては初診でも活用でき、今後はオンライン診療が主流 になるとみられています。

また、個人の健康情報を管理する PHR (パーソナル・ヘルス・レコード)のサービスも浸透しており、患者 自身で病院の検査データ等がダウンロードできる「ブルーボタン」という PHRは、2016年時点で約1億7000万人が活用しています。

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人口が14億人に達する中国では、農村部の医師不足が深刻 であり、医療への不信感も強いため、オンライン診療が急成 長しています。たとえば24時間オンラインで問診を提供する「平安グッドドクター」というサービスの相談件数は、一日平均65万件。AI によるチャット形式での問診と基本的な診断の後、実際の医師とつながるシステムです。病院の診察 予約や処方箋の即時発行、薬をオンライン購入できる便利さから、現在ユーザー数は約3億人に達しており、待ち時間が長い中国の医療環境を劇的に改善したと注目されています。

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バルト三国のひとつエストニアは、医療分野のデジタル化(eヘルス)の先進国です。国民はIDカードの取得が義務とされ、健康保険証などの情報がすべて紐づけられています。電子カルテはほぼ100%普及しており、電子処方箋の利用率は98%。

医療情報の閲覧や病院の予約もオンライン上ででき、他人の診療履歴を不正に閲覧すると処罰されます。救急時は、患者 の到着前に診断履歴を確認するのにも役立っています。また、ゲノムデータを収集して遺伝的リスクを本人にフィードバックするなど、予防医療にも活用されています。

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受診したくても、受診できない人が多いインド。インドの代 表的なオンライン診療サービス「DocsApp」は、比較的安価に医療相談ができるので、すでに500万人以上に利用され ています。

問診は AIによるチャットで行われ、症状や地域によって患者側がドクターを選ぶと30分以内にコールバック が来て、ビデオ通話などで診療を行うシステムです。薬のデリバリーや検査キットによる血液検査も可能。

インドでは近 年、生活様式の急激な変化からうつ症状が増えており、対面ではないオンライン診療が役立っているといえそうです。